今年度も静岡県内に留まらず、全国各地の皆様からご応募を頂き、HPSの認知度が高まっていることがわかります。
第9クールは34名の方々にご応募を頂きましたが、本講座は授業形態が少人数制のディスカッション中心であること、実習先の受入人数に限度があることから、最終的に15名の受講生を選出させて頂きました。
本クール受講生の中には、北海道や沖縄から受講される方々も含まれています。遠いところから「HPSになりたい!」という熱意を持って静岡へ集まって頂き、頭が下がる思いです。
(第9クール開講式の様子)
今回は前クール同様、受講生に対して事前に課題が課されました。自分の遊び体験を振り返り、その体験と現在の自分とを結び付けるレポート課題です。講義ではまず、受講生の皆さんが、子ども時代の遊びが今の自分とどのように結び付いているのか否かを話し合いながら、遊びの持つ力について考察します。
(自分の遊び体験について振り返る講義の1コマ)
本クールは第6クールより導入した前期と後期の2期制でした。前期講義は、「やさしい小児医療とは」「子どもの発達と遊び」「学問としての遊び」など、遊びに関する講義の他、子どもの権利や療育環境デザイン、アートクラフトを学びました。また、HPSと一緒に働く小児科医の講義を受け、日本の小児医療の現状と課題を学びました。
(第9クール前期講義の様子)
前期講座の後は、1週間の実習に行きました。
また、後期講座の開始までに、課題が与えられました。前期の学習内容を振り返り、自身の過去を反省(リフレクション)するための大切な期間でもありました。
後期講座の第1週目は、英国から招聘したHPSによる講義です。今回も前クールに引き続き、キャロライン先生です。彼女は英国歯科分野におけるHPSの第一人者であり、またフランシス先生の教えを受け継いでいます。講義では受講生とのディスカッションを中心に、英国の事例について動画を交えながら解説されました。
遊びに対する一貫した姿勢や遊びの柔軟性を学び、ときには受講生が日本の実践で困難を感じることについて、一緒に解決の糸口を見つけていきました。
(英国HPS キャロライン先生による講義)
後期講義の2週目は、様々な学問的背景を持つ先生をお招きし、HPSが医療現場において「チーム」として働く際に必要な知識や技能を学びました。
また、病院や医療施設で実践を積む本学養成講座修了生もHPS講師として参加し、日常の遊びや専門的な遊び支援を紹介しました。受講生は現役のHPSによる遊びを実際に見て、工夫に感心していました。
(第9クール後期講義の様子)
後期講座の後は2週間の後期実習です。後期実習は、これまでの学びを通して身に付けたこと、理解を深めたことについて、HPSによる指導の下、実践に結び付ける場となります。
全ての講義と実習を終えると、最後は口頭試問です。受講生はこれまでの学びの成果を発表するとともに、今後のHPS活動に向けて決意を新たにしました。
口頭試問に合格すると修了式に参加です。
(第9クール修了生との記念写真)
修了式では皆さん、たくさんの笑顔・涙を見せていました。これまでを振り返り、様々な思いがあったと思います。
皆さんのこれからの活躍を期待しています!