平成22年2/13(土)
司会進行:立花明彦(静岡県立大学短期大学部 准教授)
9:15〜
受付開始
9:50〜10:00
開会の辞 木苗 直秀(静岡県立大学短期大学部 学長)
10:00〜11:00
記念講演1 「遊びの持つ偉大な力」
天野 秀昭(大正大学人間学部 アーバン福祉学科 教授)
「遊ぶ」ことは、子どもにとっては「魂の活動」である。食べなければ体が死んでしまうように、遊ばなければ魂が死んでしまう。それは、病に生きる子にとっても同様だ。遊びとは何か、遊ぶとはどういうことか。
人類唯一の共通体験、「昔はみな子どもだった」ことからそれを捉えなおしたい。
11:00〜12:00
記念講演2 「自閉症の弟から教えられたこと」
島田 律子(タレント・エッセイスト)
今までなかなか語られることのなかった、障がい者の姉弟の立場からのメッセージ。姉弟が考える家族間に起こる問題、そしてそれらを乗り越えて家族全員が幸せを感じる時。タブーを越えてたくさんの方に聞いていただければと思います。
12:00〜13:00
休憩
13:00〜15:00
パネルディスカッション「各国におけるHPSの現状について」
13:00〜13:30
「イギリスにおける病児と遊び支援」
Suzanne Storer( 英国Hospital Play Staff 教育財団 会長)
テーマは、過去、現在そして未来です。英国で病院における遊びの支援がどのように始まったか、そしてどのように養成教育や資格認定が発展したかお話します。また、英国にて実施した、認定プレイ・スペシャリストの養成に関する調査結果の概要をお話しします。
13:30〜14:00
「アメリカにおける病児と遊び支援」
Andrea Mangione Standish( 認定Child Life Specialist)
すべては遊びから始まっています!遊びは、病児の心理面・社会面の支援プログラムには基本となるものです。現在は、チャイルド・ライフ・プログラムとして知られており、全米で実施されています。そして、遊びは、チャイルド・ライフ・プログラムや子どもにとって大切なツールです。
1922年に、アメリカで初めてホスピタル・プレイ・プログラムが実施されました。1955年には、遊び、支援と教育を取り入れ、組織化したプログラムがオハイオ州で始まりました。エマ・プランクによって設立されたこのプログラムは、チャイルド・ライフの基礎になっています。今日、北米では400以上のチャイルド・ライフ・プログラムがあります。
14:00〜14:10
休憩
14:10〜14:40
「ニュージーランドにおける病児と遊び支援」
Marianne Kayes( ニュージーランドHPS協会 前会長・現理事)
ニュージーランドにおけるホスピタル・プレイ・プログラムは、他国のホスピタル・プレイやチャイルド・ライフ・プログラムと同じ目的を持って実施していますが、同時に独自の文化や政治に考慮して発展してきました。このディスカッションでは、ニュージーランドにおけるホスピタル・プレイ・プログラムがどのように発展していったのか、その経過で学んだ教訓、達成してきた主な出来事、そして将来の課題についてお話しします。
14:40〜15:00
「日本におけるホスピタル・プレイ・スペシャリスト養成の現状と課題」
松平 千佳( 静岡県立大学短期大学部准教授)
静岡県立大学短期大学部は、平成19年より文部科学省から採択され「離退職保育・看護資格保有者のキャリアアップのためのHPS養成教育事業」を実施しています。養成講座を修了したホスピタル・プレイ・スペシャリストは病院で働いている者も多く、ホスピタル・プレイを小児医療の中に導入している最中です。
発表では、修了生の取り組みを紹介します。
また、研究も進み、ホスピタル・プレイを日本に定着させるため、乗り越えなくてはならない課題も明らかになってきました。発表では、これらの課題を整理するとともに、課題に取り組んでいくために必要な協働を考えます。
大変うれしいことに、これまでの実績が認められ、今年新たな補助金が文部科学省よりいただけることが決まりました。最後に「体系的なHPS養成カリキュラムの開発」を目指す新しいプログラムを紹介します。
15:00〜15:20
休憩
15:20〜16:20
全体討議 ファシリテーター
長嶋 正實(あいち小児医療総合保健センター 名誉センター長・日本医療保育学会監事)
16:30〜18:00
交流会(本学食堂にて)
※交流会は参加費1,000円いただきます。
平成22年2/14(日)
8:45〜
受付開始
9:15〜10:15
記念講演3 「生きることの一部としての医療」
武藤 香織(東京大学医科学研究所 准教授)
親や医療者は、病気と共に暮らす子どもたちに最善の治療をと願う。治療の有効性が認められないと、「遊び」の意義を正当化できないことも多い。しかし、子どもたちは、親や医療者が考えているよりも、もっと腹を括って人生と向き合っている。そして、暮らしを楽しみたいと思っている。
子どもの世界観や目線に戻ることの難しさと直面させられることも多いなか、医療のなかで我々にできることはなんだろうか。共に考えてみたい。
10:15〜10:25
休憩
10:25〜12:00
修了生6名による「日本におけるホスピタル・プレイ実践発表」
- 「実践報告 膀胱造影検査に臨む子どもへの関わり」
小島 広江(HPS一期生) - 「子どもの採血によるストレスの軽減と心的外傷の防止に関する研究」
小長谷 秀子(HPS一期生) - 「あおちゃんへの関わりと家族支援」
中山 陽子(HPS一期生) - 「循環器病棟におけるHPSの試み」
諏訪部 和子(HPS一期生) - 「HPSとしての第一歩」
望月 ます美(HPS二期生) - 「ギプスカット処置を受ける患児へのプレパレーション・ディストラクションの有効性 ―唾液アミラーゼ測定によるストレス判定を通してー」
後藤 和恵(HPS二期生)
12:00〜13:00
休憩
13:00〜14:30
ワークショップグループ1(102教室)
「病児のアドボカシー」
Andrea Mangione Standish(認定 Child Life Specialist)
私は日本で、子どもと家族にとっての療養環境−病児のニーズと権利のアドボカシーというテーマでお話がしたいと思っています。ホスピタル・プレイ・スペシャリストも病児の権利を擁護する専門職ですが、どのような方法を用いて病児やその家族のニーズと権利を擁護することができるのか?どのようにして、家族が積極的に医療に参画できるように促進する。
「HPSと小児医療チームづくり」
Norma Jun Tai(英国Hospital Play Staff 協会 会長)
25年間ホスピタル・プレイ・スペシャリストとして勤務してきた中で、どのようにしてホスピタル・プレイ・スペシャリストが医療チームの一員としての積極的な役割を認められるように貢献してきたか、Norma Jun Tai氏が、このワークショップで、医療チームでかかわることがどのような成果をもたらすか事例を用いてお話しします。
ワークショップグループ2(103教室)
「メディカル・プレイ」
Marianne Kayes(ニュージーランドHPS協会 前会長・現理事)
メディカル・プレイの重要性についての理解は低く、プレパレーションばかり注目を集めているようです。メディカル・プレイによって、どんな小さな子どもでも、病院で自分の身に何が起きているか「声」を持つことができ、コントロール感を取り戻すことができます。子どものメディカル・プレイを注意深く観察することによって、大人はその子どもの経験や視点を理解することができます。このワークショップでは、メディカル・プレイの概要とその重要性、必要な道具、そして大人の役割についてお話しします。
「ヘルス・エデュケーション」
Frances Barbour(Stevenson College HPS養成コース責任者)
遊びは、全ての子どもが使うコミュニケーションツールです。遊びを通して、子どもは学び、知識、経験、感情を共有します。そして、遊びを通して、子どもは自分に何が起きているのか理解することができるのです。このワークショップでは、どのように子どもが遊びを通して、自分の健康や病気について理解できるかを見ていきます。遊びの技術を使って、健康に関する(例えば、歯の手入れ、手洗い、食生活について)エデュケーションのポスターを実際に作っていきます。また、ホスピタル・プレイ・スペシャリストや専門多職種チームの一員が、青年期の子どもにかかわる際の最も有効的な方法についてもお話しします。最後に、それぞれの病院において、どのように健康についての情報を楽しく伝えることができるか考えます。
14:30〜14:40
休憩
14:40〜15:00
ワークショップのまとめ
15:00〜15:10
閉会の辞
川村 邦彦(静岡県立大学短期大学部 学部長)